やっと見る事ができたデヴィッド・フィンチャー最新作。見始めたら止まらなかった。妻を暴行された殺し屋が復讐するというテンプレの様なストーリーに、独特の抑制されたノワール調の雰囲気で、なんて事ないけど面白い。
主人公キラーが向かいのホテルを監視する裏窓的シチュエーションから始まる。淡々とルーティーンをこなす姿や、独白に見惚れていると、暗殺に失敗してしまう。あんなに準備したのに!と少し笑える。
すぐに逃げ、隠れ家があるドミニカ共和国に移動するが、妻は暴行され、入院していた。キラーは男女の実行犯グループと、指示した依頼人を探し出し、復讐を開始する。
復讐も割と泥臭く描かれていて、スタイリッシュなのか、不審者なのか、よく分からない雰囲気だった。劇中でキラーはザ・スミスを聞いているが、R.E.M.の「It’s The End Of The World〜」を思い出す、WeWork、Airbnb、Amazonなど固有名詞に塗れていて、コマーシャルなのかギャグなのか。
自分の犯したミスの報復にキレて復讐して、めでたしというのも何だかよく分からなかった。冷静に考えるとユルいクオリティーに見えるんだけど、凄く面白かったのは何でだろう。