アキラナウェイ

毒戦 BELIEVER 2のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

毒戦 BELIEVER 2(2023年製作の映画)
3.3
何でキャストを変えたのか。
何で監督を変えたのか。
何で脚本家を変えたのか。
そんなの、オリジナルメンバーが全員いなくなったWANDSみたいやん。

刑事ウォノ(チョ・ジヌン)が決死の覚悟で追い続けるのは、アジア最大の麻薬組織の裏に隠された真実と、組織を率いる謎の人物"イ先生"の正体。

前作のラストシーン、雪原のノルウェーに辿り着くまでの空白の時間を描くミッドクエルという構成。そういった意味で純然たる続編ではない。本作のラストシーンもまた雪原のノルウェーに辿り着く。

問題は物語の鍵を握る青年ヨンナクのキャスティング変更。リュ・ジュンヨルのスケジュールの都合がつかなかったとの理由からオ・スンフンに交代したんだとか。

いやいやいやいや。
監督も脚本家も変わってしまうぐらいなら、全員が揃うまで少し待っても良かったんじゃない?

ヨンナクが映る度に「誰だよお前」とツッコんでしまう。

前作の空白の時間を描いていながら、チョ・ジヌンは若干サイズアップしたような。年齢もあるだろうから致し方ないとは思うけど、役に合わせて太ったり痩せたりはお手のもののカメレオン俳優なんだから、彼が痩せるまで少し待っても良かったんじゃない?

前作で個性が光っていた聾唖の姉弟は今回も大活躍。加えて印象的だったのは本作から登場の新キャラ。

髪はボサボサのロングヘアで肌は荒れ放題でボロボロ、四角いダサ眼鏡を掛けた女性クンカルを演じたハン・ヒョジュはヤバさが際立ってまさに怪演。彼女は抜群に良かった。前作から続投のヴィラン、ブライアンに引けを取らない悪党っぷりがお見事。

ショットガンで身体ごと吹っ飛ばされたり、頭撃ち抜かれたりとド派手なアクションは楽しめるし、バーナーで焼かれたり、失明させられたりの拷問描写のエゲツなさは流石韓国産。

しかしだ。

時系列は行きつ戻りつするし、人物の名前も覚え難くて、とにかく分かり辛いストーリー。前作のラストシーンに繋がるけど、矛盾点も気になる。

"イ先生"の正体も思ったより普通に感じてしまって、とにかく気持ちが盛り上がらずに終幕。

キャストが本編そのままの姿で登場してくれるエンドロールは楽しめたけど、全体的には残念賞。1のままで終わって、続編なしの余韻に浸る方が良かったかも。