Omizu

ナイアド ~その決意は海を越える~のOmizuのレビュー・感想・評価

3.9
【第96回アカデミー賞 主演女優賞、助演女優賞ノミネート】
アカデミー受賞作『フリーソロ』の監督コンビが実在のスイマーであるダイアナ・ナイアドの挑戦を映画化した作品。アカデミー賞では主演女優賞(アネット・ベニング)と助演女優賞(ジョディ・フォスター)にノミネートされている。

実際アカデミー賞を受賞する可能性はどちらもゼロに近いようだが、観られてよかった。二人の演技は素晴らしく、最後は落涙。

キューバ、アメリカ間を休みなく泳ぎ切ったナイアドの精神と肉体に敬意を表したくなる。途中で「マゾのやる競技だ」という言葉が出てくるが、まさしく。自分には絶対にできない。

幾度の挑戦と失敗を描きつつ、ナイアドの内面も描いていく。下手すれば冗長になってしまうところをこの監督コンビは上手く描いている。少しダジェスト的に見えなくもないが、不必要なところを省略しダレることなく進めていく。

アネット・ベニング、ジョディ・フォスターはもうこれくらいできて当然と言わんばかりの名演。コーチでありパートナーでもあるダイアナとボニーの関係性を性描写に頼ることなく表現している。ベニングは本作も素晴らしい分、余計に未だ無冠という事実が信じられない。

実話ものはやっぱり強い。スポ根ものとしても十分見応えがあり、演出も演技も一級品。アカデミー賞は難しいだろうが、フォスターも入魂の演技だと思うし次に繋がりそう。非常によくできていてストレートに感動できる作品だった。
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