ノラの心をずっと考え続ける映画。
これまでの人生であり得たいろんな可能性と、それを消していきながらたどり着いた現在を低体温で見つめ返す映画。
「縁」という考え方は大なり小なり何かに悔いがある大人達にとっては良い意味で諦めと赦しを与えてくれる大切なものかもしれないと思う。
バーでの3人の会話シーンからラストの幕切れまでは本当に見事。
途中で自己言及されていたが、普通は幼馴染のドラマチックな再会を阻む悪役として出てきそうな白人アメリカ人であるアーサーが一番共感しやすい立ち位置にいたのが興味深い。彼の善性が映画全体に深みを与えていたと思う。
