【第73回ベルリン映画祭 監督賞】
『白と黒の恋人たち』などの名匠フィリップ・ガレル監督作品。近年監督としても活躍する主演のルイ・ガレルをはじめ、エステール、レナなどガレル一家が出演している。
好きな人は好きなんだろうなぁという感じ。フィリップ・ガレル作品は何気にこれが初かな。流麗で端正な語り口には心地よさを覚えたものの、あまりに何も起きない物語には退屈してしまった。
本当に題名の通り人形劇を家業として営む一家を描いたプライベートな作品で、彼らの人間関係、心の機微を精緻に捉えているのは評価できる。
ただ、物語自体に新味がなく一本調子な印象を受けた。さらっと展開がながされるので途中でよく分からなくなった。前半、父が亡くなるまではなかなか面白く観ることが出来たが、それ以降は話があまり動かない。
それはそれで好きな人は好きなんだろうけど僕は退屈だった。熟練の技をみられるという意味では重要な作品だとは思うが、よくできた小品以上のものを読み取れなかった。