開明獣

妖怪の孫の開明獣のレビュー・感想・評価

妖怪の孫(2023年製作の映画)
5.0
国力を図る手取り早い物差しは何か?それは人口と生産性である。安倍政権が始まった2012年と終わりを告げた2020年の数字を見てみよう。

人口
2012年は1.276億人
2020年は1.263億人
130万人減で、出生率はついに100万人を割り込んで、85万人弱まで減ってきている。即ち低下傾向に歯止めがかかっていない。

1人当たりの労働生産性
2012年はOECD加盟国36カ国中、19位
2020年はOECD加盟国38カ国中、28位

一目見てわかる凋落ぶり。

ご存知の通り実質賃金は横ばい、貧困率は6人に1人で、G7加盟国中最低、と、もはや日本は先進国ではないと言っても過言ではない。これが安倍長期政権の数字で見る成果の一端だ。

小泉政権が劇場型政治、いわゆるハッタリ政治で竹中平蔵らと、自民党ではなく日本をぶっ壊してから、ずっと日本は失われた30年から回復することなく、いまだに転落し続けている。小泉の世論操作を引き継いでよりネット戦略に特化して長きに渡って税金を無駄にしてきた安倍晋三と自民党について知りたければ本作を観るといい。

そして、日本は確実に戦争への道を歩んでいることもよく分かる。なし崩し的に憲法は骨抜きにされ、岸田政権は向こう5年間で防衛費を5割増にすると宣言している。まやかしのアベノミクスを完全否定してくれた岸田だが、やってることは、海外へのばら撒きと軍拡路線だ。国民の生活や平和のことなど、彼の頭の中には一切無い。

以前、日本も核武装するべきというフォロワーがいて、即、ブロックしたが、そういう人はフォロー外すか開明獣をブロックしてください。やらなきゃやられる、の発想は、第二次大戦時の愚かな日本と同じ。疑念は疑念を産み、最悪の結果しか産まないのは、歴史が証明している通り。

日本を弱体化した安部政権を野放しにしたのは誰か?それは、私も含めた日本の有権者全員である。野党にいれようが、自民党にいれようが、他に入れる党がないと言い訳しようが、選挙に行こうが行くまいが、結果が全て。実態としては、全有権者の25%強程度の支持しかない政党が、国民の総意を得たとほざかせているのは、我々全員の責任。他責しようにも逃げ場はない。

腐った政治家たちが、多額の報酬に加えて領収書のいらない経費を得ている。議員の数なんて、半分でも充分に回るだろうに、安部政権は参院議員の数を増やした。メディアは全部、政権べったりで、真実は報道しない。堂々とLGBTを否定する議員がいまだやまず。それでも政権は変わらない。

変わらないのじゃなくて、変わりたくないのであろう。残念ながら、日本の未来はあまり明るくはないようだ。目を背けても、バッドエンディングは確実にやってくる。
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