ただの幼馴染じゃない。出会った日に互いの内面に新しい世界を作った（気づかせた）ふたりだから。少女から大人の女性に成長する過程でその関係は翻弄されるけど、形が変わっても、距離を隔てても揺るがない魂の絆があった。それを知ってるのも、二人の間だけ。覚えているのも、私と彼女だけ。
"彼女"の行方が明らかになる終盤の畳み掛けが見事で、必ずしも自分の選択だけで人生が分岐しない女性という性で、それでも能動的に自らの人生を掴み取ろうとした二人の凛々しさが心に残る。10代から30代までを演じ切った主演二人の演技が素晴らしかった。
ロケーションについて。二人の幼少期の場面でしっかり組まれた石垣が出てきたので一瞬これって倭城かな？って思ったけど舞台の済州島には倭城は無く、火山島なのもあって元々石を多用する地域で石垣が沢山あるらしい。温暖そうなのも相まって日本とよく似た景色だと思った。
