かこじ

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間のかこじのレビュー・感想・評価

4.0
壮絶で、かつ勇気ある戦争被害の記録。

初めは市民も実感がなく、ただ広場をウロウロ、スーパーで呑気に買い物したりしてる。
でも、自宅が爆撃され、死者が増えてくると、事態の重大さに気付き始める。
店の略奪で、オバサンに「こんなときにサッカーボール盗んで何すんの!」と叱られて、シュンとしてボールを戻すオッサンも。
「連帯しなければならないのに、略奪・分断してどうする!」という兵士の言葉が重い。

停電で情報が遮断されると、全体像が見えない。
だから、このジャーナリストの記録映像が重要。
市民や兵士が「この惨状を全世界に伝えてくれ」と、ジャーナリストを前線から逃すのに必死。
最近は新聞やTVを偏見として、youtubeやSNSこそ真実という人が多いけど、ジャーナリズムの意義はこういう事だと思う。

初めは死者の惨さに衝撃を受けるものの、20日目になるとだんだん麻痺してくる。
それが2年経た今も続いている。慣れって怖い。
かこじ

かこじ