【灯台下暗し】
MyFFF駆け込み視聴の思い出しレビュー。
「灯台下暗し」って言葉・・・
必死になって探しているものほど、案外すぐ近くに落ちてたりもするもんだよね…っていう諺で有名。
子供の頃はちょっぴりエキセントリック少年Boyだったdm少年は「灯台下暮らし」だとばかり思っていて、「どこに住んでんの?」「あぁ、ほれ、あそこの灯台の下(もと)でんがな」っていう人のことだと本気で思っていた。
・・・おら、恥かすぃ。
(因みに「波浪警報」も「HALLO警報?外人さんに注意ってこと?」とちょっぴり思ってた)
ってな感じで、探しているものって案外見つからないんだけど、そういう時ってまず「自分の近くにある」って考えないんだよね~不思議なもんで。
で、何なら普段使ったりしないような棚の中や、暫く入っていない部屋の中なんかを何度も探してみたりする。
そして「・・・あれ~?どこやったっけ~」と独り言を呟く。
で、何度も探した(はず)の場所からふんわり出てくるっていう「あるある」。
時には他人を巻き込んで「俺はこんなとこに置くはずないのに!」と理不尽な意地を張って大変ご迷惑を掛けた挙句・・・という、ホント、穴があったら入りたいし、無かったとしても掘ってでも入りたいくらいのお恥かしい顛末(てへぺろ・・・古)
――この物語はいかにも「おフランスちっく」な短編映画。
舞台はマルセイユにある旧漁師地区のマルムスク。
朝から愛猫のプリンスが見当たらないヴィルジニーは付近を手当たりしだい捜索する。
出だしのこの光景の1カット1カットからして絵葉書になりそうなくらいに絵になる。
燦燦と降り注ぐ日光と何処までも真っ青な海、そしてそんな場所に暮らしていたら誰だって自然と開放的な雰囲気になる住民たち。
そこに「夫が私のスマホを監視している」と疑うエリナがやってくる。
ヴィルジニーはエリナを心配して、ひとまずプリンス捜索を中止してエリナの話を聞いてあげることにする。
(もしかしたら聞かれているかもしれない・・・・)
二人は貸しボートを借りて、岸から少しだけ離れた小島へと渡り「あれやこれや」と話し出す。
「スマホ」って、言ってみれば『個人の秘め事』の最たるものですよね。
自分の個人情報以上にセンシティブな「自分自身」があんな小さな機械の中に詰まっていて、それこそもしかしたら銀行口座の暗証番号以上に見られたくないものもあるかもしれない。
そんな「秘め事」を旦那が勝手に覗いているのかも・・・。
ヴィルジニーとエリナは旦那さんの行動の確証を得るためにあるトラップを仕掛ける。
わざと「サフランが好き」というワードをさりげなくスマホに残す。
そして後日出張帰りの旦那さんがお土産で買ってきたのは・・・・・。
暫くしてヴィルジニーが探していたプリンスは何処からともなくフラッと帰ってくる。
ほんと、猫ってそんな感じだよね(笑)
そしてエリナは・・・・・元サヤに収まることを選んだ。
実際のところどうだったのかはわからない。
でも、夫は今も自分を愛し続けていてくれる、それは確か。
疑って、迷子になって、見失って・・・・でも案外答えは直ぐ近くにずっとあったのかもしれない。
焦って探しているときはどうしても見つけられないけど、ふと立ち止まって落ち着いて考えてみたら、意外と簡単に解決できることっていっぱいあるのかもしれない。
・・・って言いつつもね、奥さんのスマホにスパイアプリを入れることが「愛」だとは思えないから、僕はそこまでする気はないけどね。
秘密はね、わからないから秘密なんだよ。
それは、僕にとっても、あなたにとっても・・・。
でももしかしたら、あえて探さなくても必然が教えてくれることもあるかもね・・・・っていうお話。