たいせつに考えたくなる映画だった。
いまだに毎日考えている。
だれかのことを理解しようとすること、その上でだれかのことをどうにかしてあげよう、じゃない、人との距離感。言葉の数々を含め、とても丁寧に描いていた。
たとえば山添くんが今の会社に残ると言ったときの渋川さんが一瞬見せる表情。あれが全てだったと思うくらい、そんな感動や優しさがこの映画には散りばめられていて、それに触れるたびに胸の奥がぐっとなる。
見える風景や吹く風の優しさ、風の匂いまで感じられるようだった。
病気のことだけではなくって、なにかしら痛みを抱えてる今の社会での優しい一部を切り取って見せてくれた、そんな気持ちでいる。
三宅監督が描く「夜明け」はほんとうに素晴らしいな。