このレビューはネタバレを含みます
瀬尾まいこさんの作品の登場人物は優しさに包まれあっていて、心が温かくなる。
目に見えない辛さを抱える人たちは、相手にその生きづらさが伝わる瞬間というのが、辛さが生じさせた"言動"であるから他者や社会との摩擦が起きやすく。
病気なり生きづらさなりと、どう向き合い付き合っていくのかが現代社会においては求められていて…。
でも、大なり小なり1人で何かに向き合い続けて苦しい思いをした人も多いのではないか。
だからこそ1人で抱えるのではなく、周りの大切な人や似た境遇の人たちと繋がり合うことが、一つ大切なことなんだろうな。
本作の主役2人はお互いか何か大きな役割を果たした訳でもないような気がする。
でもその小さな役割が、最終的に病気を根本から解消した訳ではないけど、確実に前に歩みを進めることに繋がっている。
グリーフケアのシーンもあったけど、生きづらさを抱える人たちは1人で乗り越える必要なんてないから、自分に合う誰かや何かとのつながり方を諦めずにどうにか模索してほしい。
