啓くんに勧められた田中さくら監督特集にて。一本目。
鼻から伝えようとしていない映画なのだろうか。やりたいことを沢山詰め込んだ感じがして、全体的にまとまりがない。
何より、録音が雑に感じた。際立たせたい音にSEを丁寧につけているのは理解できるが、セリフや音が画に馴染んでいない。それだけならまだしも、最後の方お友達の口とアフレコが合っていないという一番苦手なやつが来てしまったので心が離れてしまった。
あと、お兄ちゃんとの会話のシーン、主人公の顔to顔（同じカット）で謎のジャンプカット？というか観客からするとミスショット？があって、それも気になってしまった。
伝えようとしていたことはなんだったのか、最後のセリフでまとめないでもっと論理的に、映画的に、伝えて欲しいと感じた。
これなら『キャンバス』の方が、と妬む自分と、圧倒的に技術では優っていたはずの『キャンバス』が獲れなかった弁慶を、この映画で獲れたなら、それは完全に監督の作家性の勝利なんだな、と。なんか自己肯定感が下がる映画だった。
