HAYATO

SISU/シス 不死身の男のHAYATOのレビュー・感想・評価

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)
4.1
2024年90本目
SISUを呼び起こす者は死すべし。
フィンランドで5カ月連続トップ10入りの大ヒットを達成したバイオレンスアクション
時は1944年、第二次世界大戦末期。ソ連に侵攻され、ナチスドイツに国土を焼き尽くされたフィンランド。凍てつく荒野を旅する老兵・アアタミは、掘り当てた金塊を運ぶ途中でナチスの戦車隊に遭遇し、金塊と命を狙われる羽目に。アアタミはツルハシ1本と不屈の精神を武器に、次々と敵を血祭りにあげていく。
主演を務めたヨルマ・トンミラは、若い頃演劇の公演で仲間とともに全裸になって客席に向かって消火器を噴射し、ヨーグルトや卵、糞便を投げ込むパフォーマンスを敢行したというクレイジーな武勇伝を持つツワモノ。
現在では北欧で熱烈な支持を得ているヨルマ・トンミラと20年以上に渡る親交があるヤルマリ・へランダーが監督・脚本を担当。
タイトルの「SISU(シス)」とは、フィンランドの言葉ですべての希望が失われたときに現れるという不屈の精神を意味し、正確には翻訳不能な言葉。本作の主人公・アアタミは、まさにその言葉の体現者。地上戦から水中戦、さらには空中戦まで、重傷を負おうとも諦めず、武器と知恵をフル活用してナチス相手に孤軍奮闘する姿に血湧き肉躍ること間違いなし。
そんな主人公のキャラクター設定は、フィンランド冬戦争でソ連兵を500人以上葬り、「白い死神」と恐れられた伝説の狙撃兵・シモ・ヘイヘをモデルにしているそう。アアタミの「寡黙にして最強の戦士」という設定は、まさにシモ・ヘイヘの人物像を投影しているように思える。
監督が『ランボー』に影響を受けたと話している通り、ド派手な爆破や過激なゴア表現が非常に刺激的。
戦争の不条理や人物のバックグラウンドはほぼほぼ描かれないが、ビジュアルとテンポ重視で最後まで突き進む様は痛快。
アアタミの愛犬は見たことない犬種だったけど、モフモフでめっちゃ可愛かった。イギリス原産のベドリントン・テリアという牧羊犬に適した活発なワンちゃんらしい。
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