kuu

カンダハル 突破せよのkuuのレビュー・感想・評価

カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)
3.8
『カンダハル 突破せよ』
原題 Kandahar  映倫区分 G
製作年 2023年。上映時間 119分。
ジェラルド・バトラー主演で、アメリカ国防情報局の職員ミッチェル・ラフォーチュンがアフガニスタン赴任時に体験した実話をベースに描いたアクション。
『エンド・オブ・ステイツ』『グリーンランド 地球最期の2日間』につづき、バトラーと3度目のタッグとなるリック・ローマン・ウォーが監督を務める。

イラン国内で核開発施設の破壊工作に成功したCIA工作員トム・ハリスは、CIAの内部告発による機密情報漏洩で全世界にその正体が明らかとなってしまう。
ミッションを即刻中止し、中東からの脱出を図るトムは、30時間後に離陸する英国SAS連隊の飛行機に搭乗するため、アフガニスタン南部のカンダハルにあるCIA基地を目指す。
しかし、イランの精鋭集団・コッズ部隊、パキスタン軍統合情報局(ISI)、さらにタリバンの息がかかったゲリラ、金次第で敵にも味方にもなる武装集団など、トムをめぐる追跡劇は敵と味方が入り乱れる混沌としたものとなっていく。。。

今作品は、紛争の核心への魅惑的な旅へと誘う示唆に富んだ作品でした。
リック・ローマン・ウォー監督によるこの手に汗握るドラマは、紛争地域で暮らす人々が直面する現実についてユニークな視点で描いてた。
完璧な傑作とは云えないかもしれへんけど、今作品は人間の回復力の本質と、絶望の中にある希望の力を見事に捉えている。
アフガニスタンの荒涼とした風景の息を呑むようなショットが巧みでした。
自然光とリアルなセットデザインが信憑性を高め、カンダハルの過酷な現実にどっぷり浸かっているような気分にさせてくれた。
サウンドトラックは映像をよく引き立ててたし、各シーンの感動を高めていた。
今作品の長所のひとつは演技にあるかな。
特に主演女優の、タリバンの魔手から妹を救い出そうとする決意のジャーナリストとしての魅力的な演技は、胸を締め付けると同時に感動を誘った。
また、脇を固める俳優陣もまた輝きを放ち、それぞれの役に深みを与え、物語に複雑な層を加える信じられるアンサンブルを作り上げてた。
また、物語自体もよく練られており、個人的な物語と、より広範な社会的、政治的な論評が組み合わされてて、文化的伝統の探求と紛争地帯での生活の厳しい現実とのバランスを巧みに取っていました。
主人公が地元の人々やタリバンの戦闘員と出会う描写を通して、今作品はアフガニスタン社会の複雑さやニュアンスに光を当て、先入観や固定観念に挑戦している。
ただ、映画のテンポは全体的に良いが、物語が勢いを失う瞬間が幾つかあったのは否めない。
時折見られる物語の停滞は、映画全体の流れやインパクトを妨げてはいたかな。
さらに、戦争の過酷な現実を反映しているが、より繊細なのを求めるとしたら、少々、難アリかも。
こないな仔細な欠点はあるものの、今作品は、紛争下の人間模様に光を当てる、力強く示唆に富んだ映画であることに変わりはない。
戦争の結果、個人の回復力、正義と自由の追求について重要な問題を提起してんのは個人的に嵌まった要因の一つかな。
登場人物の心の旅に没入させることで、今作品は心に残る印象を残し、クレジットが流れた後も長く内省を促してくれた。
結論として、今作品は、紛争という過酷な現実を描きながら、人間の精神の強さを浮き彫りにするという使命を成功させたんは、印象的な映画的成果と云える。
巧みな演技、見事な映像美、深遠なストーリーテリングにより、心に残る感動を与えてくれました。
いくつかの小さな欠点はあるものの、今作品は示唆に富み、感情を揺さぶられる映画体験をさせてくれた。
kuu

kuu