ヨダセアSeaYoda

ヴァチカンのエクソシストのヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
4.0
【STORY】
 1987年。チーフ・エクソシストであるアモルト神父(ラッセル・クロウ)は過激な悪魔祓い的な儀式を行い、教会上層部から咎められたりもするが、そんな彼にスペインに飛ぶよう依頼が舞い込む。
 アモルト神父を待ち受けていたのはベラスケス一家。夫を亡くしたシングルマザーの母ジュリアと、反抗的な姉エイミー、無口な弟ヘンリーの姉弟が屋敷に引っ越して早々、ヘンリーの様子がおかしくなってしまい、噂を聞いた教会関係者がアモルト神父を派遣したのだった。

【REVIEW】
 ガブリエーレ・アモルト神父は、2016年まで存命だった実在のエクソシストで、今作の物語はアモルと神父が残したたくさんの本のうちの1冊『エクソシストは語る』をベースにしていいる。
 フィクションでもスリリングなのがホラー映画だけど、やっぱりこれが本当に起きた話を元に描かれていると思うとそのスリルも一段階高まる。
 『死霊館』『エミリー・ローズ』のように、恐ろしい悪魔・幽霊が本当にいたのかも、と思わされる映画は作品の中だけでなく我々の日常の世界観にまで影響を与えそうな怖さがある。

 今作にはもう1人トマース神父という若手の神父も出てきて一緒に悪魔に立ち向かうが、そのトマースがなかなかの未熟者でハラハラ。ベテランで豪快なアモルト神父と、未熟に頑張るトマース神父。2人の歳の差バディ感も今作の魅力。

 そして、今作で登場する悪魔の手口はただ怪奇現象や憑依した人間の動きで怖がらせるだけではなく、 “悪魔のささやき” とよくいうように、言葉によって人間を傷つけ、傷を抉り、追い詰めてくる。
 悪意に満ちた悪魔の、精神に迫る恐ろしい攻撃の描き方も好きだった。

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観た回数:1回
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