たかし

法廷遊戯のたかしのネタバレレビュー・内容・結末

法廷遊戯(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

【狡猾な馨の復讐劇。】

1クラス26人の法科大学院生の清吉は過去(入ってた児童擁護施設の施設長への殺人未遂)をクラスメイトにバラされる。そこで無辜(むこ)ゲーム開催を提案。在学中唯一司法試験に合格した結城馨が主催する学内裁判。負けたら罰有。
クラスメイトが報酬とともに誰かから依頼受けたと判明。

また、同じ施設出身の美鈴が沼田という男から盗聴されたり、玄関にピック刺さってたりの嫌がらせを受けている。

❮清吉と美鈴の事件❯
美鈴への性的虐待を知った幼馴染みの清吉が施設長を刺した。
美鈴が電車内で痴漢にあって以来、大人への仕返しとして痴漢冤罪を起こす2人。

2年後
弁護士になった清吉と美鈴。馨は学内に残ったらしい。その馨から無辜ゲームを行うと呼び出しを受けた清吉は、現場でナイフ刺され死んでる馨と返り血を浴びた美鈴と遭遇。美鈴は被疑者とされ、清吉は弁護にあたる。

❮裁判の行方❯
美鈴は黙秘を貫く。弁護のために馨について調べていると、警官だった父が自殺したことを知る。自殺理由の発端は清吉と美鈴が起こした痴漢冤罪。現役警官の不祥事で叩かれた上に有罪。
沼田を探しだして盗聴の依頼者が馨だと発覚。法廷内で、以前美鈴が清吉に託したSDカード内の映像を確認。それは馨が死ぬ直前の美鈴とのやり取りを撮影したもの。父の死の真相を語り、冤罪を表沙汰にするために刑事事件を起こす。そして再審請求に繋げる手筈だと。事件にして清吉が被疑者の美鈴の弁護士になり、被害者は馨の役目。自分の胸をナイフで刺し止めようと美鈴が飛びかかる模様が映されていた。
しかし、再審請求は親族にしか出来ず、なぜ馨は死んだのか。

❮真相❯
馨に、自分が死んだら墓にリンドウを手向けに来て欲しいと言われていた清吉。墓でUSBを発見。それは馨が綴った日記だった。計画では致命傷負わないつもりだったが馨は死んだ。撮影前に美鈴に亡き父のことを打ち明け、清吉も美鈴の共犯であると知っていた馨。当時、揉めた佐久間悟と美鈴がホームの階段から落ちた場面、清吉が掴んだことで父が落とされたのを見ていた馨。美鈴は清吉を守るために馨を想定外に殺害。馨は保険として最悪のシナリオを残しておいた。それは2人を幸せにしない未來。
清吉は美鈴の無罪(映像では殺害場面映らず)確定後、弁護士を辞めた。美鈴は清吉を守れなかった。

[感想]
二転三転とする内容で次々に明らかになる真相。陰鬱な駅のホーム映像から始まり、キーは駅のホームの階段場面。しっかり見ておけば展開がわかったのかもしれない。この上映時間のなかで濃密なミステリーを味わえた。法科大学院ってこんな殺伐としてるんやろうか?無辜ゲームが息抜きってヤバい場所。美鈴の狂った演技が頭から離れない。
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