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法廷遊戯のタロウのレビュー・感想・評価

法廷遊戯(2023年製作の映画)
3.4
『法廷遊戯』




普段映画を観に行く時はあらかじめこれ観よ!って決めて向かうことが多いけれど、今回は例外。ふらーっと行ってタイミング良い&面白そうなのないかな~で選んでみた。
予告編観た感じ、過去と現在とが繋がる壮大なミステリー!という印象だった本作。しっかり謎解きチャレンジ挑むためにちゃんとお昼ご飯食べて突入..。

  👀👀👀

複雑~!!絡み合うね~!主要キャラの3人がそれぞれにそれぞれ悲しい境遇を生きてきた過去があって、それぞれに大切な人がいて、それぞれが持つ"正義"があって..。とある1つの事件が3人を引き寄せ、その後の運命を大きく変えていくことになる、という設定と3人の人間関係やらのキャラ深掘りが丁寧、というのが相まって終始見応えはあったように思う。
養護施設の所長が違っていたら、もっと言えば育った環境そのものが違っていたら清義(永瀬廉)も美鈴(杉咲花)もまた違った人生(少なくとも本編と比べればより良い人生)を送っていただろうなと思うし、馨(北村匠海)が悲しむこともなかったはず。けれど"あの事件"が起きたことで生まれた友情だったり、かけがえのない時間というのも確かにあって..と考えると、本当に複雑でやるせない、なんともいえない気持ちになる。最後の清義の決断は辛いところもあるけれど、あそこまで彼の葛藤だったりを見てきたら、まぁ彼ならそうするよな..と頷けてしまう。そんなハッピーともバッドとも言い難い結末にモヤモヤしているところに、ロースクール時代の一幕が差し込まれるラストがとても好きです。光。

ただ謎解きパートに関しては、ハードル上げすぎてしまってた感!!「二転三転、いや四転五転!」なんて言われたら、天空まで一直線に上がったハードルをどうやって超えていってくれるんだ?!と期待してたけれど、なんとなく予想できてしまったかなという印象。ロースクール時代の無辜ゲームと馨の死に関わる裁判がなにかしら繋がってくる、みたいなことかなとも思っていたけれどそういうわけでもなく..。単純に一イベントとしてしか無辜ゲームが扱われてなかったのはちょっと勿体ない感じだった~

memo
・『真夜中乙女戦争』に続く目の死んだダークな役どころの永瀬くん。やっぱ似合う!!何か企んでそう感出すのが上手、というか!
・面会パートの杉咲花ちゃん、優勝です。静→動のギャップがとんでもない。あんな"鬼気迫る"演技ははじめて観たかも。東京国際映画祭で観た『市子』もスゴかったけれど、こっちはこっちでスゴい..。
・柄本明さん忙しすぎ~~!!
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