浅野公喜

ドミノの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ドミノ(2023年製作の映画)
3.7
娘が行方不明の刑事が、発生した銀行強盗の事件と娘の行方が関係していると知り捜査にあたるベン・アフレック主演ロバート・ロドリゲス監督脚本のサスペンススリラー。タランティーノ監督と共に語られるイメージが有るロドリゲス監督ですが、「スパイキッズ」シリーズや「デスペラード」等を手掛ける一方でこんな作品も作れる幅の広さが地味に凄いと思います。

人間を自由自在にコントロール出来る人物が現れることで、数多のピンチを切り抜けつつ現実と虚構の境界線が曖昧になっていく展開で体調が悪い時に見る夢のように景色が歪む様がなんとも印象的。今までの世界を覆す終盤は前知識無しで観ればちょっと驚きますし、写真から感じるこの二人の親からこのタイプの子供?という違和感が伏線となっておりだんだんなんでもありな状況になりがちながら適度に複雑で適度に理解出来るバランスの良い感覚を維持しつつ、90分程の丁度良い時間で見事にまとめてくれた内容でした。

終盤で明らかになるゴルフカートに乗って「演じていた」所にさり気無いユーモアを感じます。
浅野公喜

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