このレビューはネタバレを含みます
原作は子供の頃に親に与えられて読みましたが、詳細は忘れている状態で鑑賞。
絵本から飛び出した様な優しい色彩で、子供視点の世界がが丁寧に描かれていました。現実世界ではなくワクワクした時の空想世界、悪夢を描いた恐ろしい世界も含めて、見事でした。
お話も発達障害らしいお転婆なトットちゃんの無邪気さとそれらに振り回されて拒絶する大人、受け入れる大人が自然に描かれていました。「君は本当は良い子なんだよ」は名台詞。小児麻痺の少年との出会いと絆、そして別れを通じてトットちゃんの成長が自然と描かれていました。
戦争によって失われてゆく煌びやかな日常とそれに負けないで前を向こうとする大人たちの力強さ。ほとんど説明台詞を入れずに理解できる展開は良かったです。(改札口の係が男性から女性に代わったシーン等)
子供たちの溌剌とした笑顔を奪って「お腹が空いたよ」と泣かせる日常がある世界に戻してはいけないと感じました。