ベビーパウダー山崎

マディのおしごと 恋の手ほどき始めますのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

3.5
思ったりより全然良かった。すでに絶滅したセックスコメディの今更感はあるけど、本筋はトラウマから時が止まっていた二人が、己と見つめ合い、もう一度(人生を)やり直すまで。殻を破るのは童貞の少年だけではなく、実はジェニファー・ローレンスが成長するための人間ドラマ。育った環境が真逆だからこそ見えてくるものがあるというか、まあ『プリティ・ウーマン』の流れもある。傷を受け入れ、乗り越えた相手に「大丈夫」と言い合える物語はベタだけどグッと来る。その町を離れて旅立ちのラスト、これが「アメリカ映画」のど真ん中。
ボディダブル使わずに全裸でクソガキぶん殴りにいくローレンスは気合十分。存在感がありすぎてドタバタコメディには強すぎるけど、ふとした表情など抜群にうまいし、やはりとても良い役者。
こういった映画に必ず割り当てられる「喜劇人が演じる脇役(変人)」をカイル・ムーニーが担っていた。当たり前だが、笑いの現場も時代は動いている。U-NEXT399円。