V

ミッシングのVのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.3
吉田恵輔監督の最新作。

地元・沼津が撮影地だったので最初の方は入ってこなかったけど、地元だからこそより一層の親近感や現実味を持って作品と向き合うことができたと思う。てか、石原さとみが立ってる背景に映るビルが映画館なんだけどそこで本編観てた笑

変な気分。

この前警視庁の公式サイトを見てて、娘さんを犯罪事件で亡くしたお父さんの文章を読んだんだが、「犯人への恨みよりも先に、大事な娘を犯人に差し出してしまった。その機会を与えてしまった自分が一番憎くて許せない」という風に語っていて、あの文章を読む前に、『ミッシング』観たらきっと「気持ちはわかるが自分をそこまで責めなくても…」と思っていたに違いない。

最初から最後までやってることは基本一緒なのにここまで心を揺さぶる作品の力がすごい。「なんでもないような」の下りとか、「ラジオミュージック」の下りも皮肉的で、一層高まる虚しさや悲壮感が伝わってくる。世界のどこかには確実にこういう家庭があって、胸にぽっかりと空いた穴を抱えながら生きている。地域でのみまもりに貢献している人々にもっと感謝したい。
V

V