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ミッシングのyadokariのネタバレレビュー・内容・結末

ミッシング(2024年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

石原さとみのドキュン演技が話題になる映画だけなのか?ちょっと違うと思ってしまったのは、この映画は結局何が言いたいのかよくわからなかった。それはTVニュースのジャーナリストのツッコミが足りないような気がする。彼の諦念といような、それで報道番組を続けている姿に今のTVや映画の体たらくがあるように感じてしまった。そこをもっと突っ込んで欲しかったような気がする。結局、夫婦愛と兄弟愛で誤魔化しているような、最後の虹は美しく映画いていいのかとも思えた。

思ったことは仏教説話で子供を亡くした母親がお釈迦様に娘を返して下さい。どんなことをしますから、と言ったので、お釈迦様が各家に回ってそれを話なさい(ここは違うかも)と言って、そうして家々を尋ねたら自分だけが不幸を負っているのじゃないと気付かされるという、まさに石原さとみの母親は別の誘拐事件を見て感じるのだが、ただそこでは終わらないだろう。その非日常がどこまでも続いていくのかと思ってしまった。

それは北朝鮮の拉致被害者家族を連想したからかもしれない。利用するだけ利用されて、結局それは両親が死ぬまで続いたのだった。それが現実なのかもしれない。

そういうことを問題にしてほしかったような気もする。最後がドキュンな母親が世間と和解するみたいな結末でいいのかと思ったのだ。やはりTVジャーナリストは、態度を見せる必要があったと思う。

石原さとみよりも弟君に感情移入してしまうのは、誰でもそういう立場にならないとは限らない。そこをどう乗り越えればいいのだろうか?狂ってしまうしかないように思えた映画なのだが、最後は姉と和解するのだ。

例えばネットの炎上で笑い声が聞こえた。そういうのも不快な気持ちにさせるのだが、ただネットばかりが悪者にされるのも、もうどうなのかなと思う。そういう映画は過去にも作られてきたので。
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