一人旅

ネクスト・ゴール・ウィンズの一人旅のレビュー・感想・評価

4.0
タイカ・ワイティティ監督作。

サッカー米領サモア代表チームの実話を映画化したタイカ・ワイティティ監督の新作で、マイケル・ファスベンダーが超弱小チームの監督に就任した実在の人物を好演します。

2011年、成績不振で何度も解雇されてきたサッカー監督のトーマス・ロンゲンが、公式戦での勝利経験がなく、オーストラリアとの代表マッチで0-31の歴史的大敗を喫してしまったサッカー米領サモア代表チームの監督に就任し、4週間後に行われるW杯予選で初勝利を果たすべく奮闘していく様子を描いた“スポ根+人間ドラマ”の快作となっています。

スポーツの弱小チームを新任の監督が鍛え上げてチームを勝利に導く…というプロットはスポーツ映画の定番ですが、外れの少ない映画ジャンルであることも事実です。本作も同様に、世界最弱であるアメリカ領サモアの代表チームを落ちぶれた監督が立て直すという筋書きで、サッカー選手には見えないおデブ選手やトランスジェンダーの選手等、個性豊かな選手たちをまとめ上げていきながら初勝利を目指し奮闘する主人公の挑戦のゆくえを、選手たちとの衝突&絆の形成や主人公自身の悲痛な過去と人生の再起を交え映し出しています。

これが実話とは言いつつも、実在する登場人物たちのキャラクターはどれも映画用にデフォルメされていて、全編を通じてコメディ調の作風がとても観易いスポコン物となっていますし、トンガ代表とのW杯予選クライマックスではハイレベルとは言えないながらも熱気と見応えのあるゲーム展開でスポーツ映画の醍醐味を味わわせてくれます。
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