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エリック・クラプトン アクロス24ナイツのkuuのレビュー・感想・評価

5.0
『エリック・クラプトン アクロス24ナイツ』
原題 Eric Clapton: Across 24 Nights
製作年 2023年。上映時間 115分。
エリック・クラプトンが1990年代初頭にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行った42回の公演からベストパフォーマンスを厳選してスクリーン上映。
監督は『エリック・クラプトン ロックダウン・セッションズ』のデビッド・バーナード。

※評価の点数は個人的な思い入れよりつけてますので!!

クラプトンが同会場で1990年1〜2月に敢行した18回のライブは、4人編成からホーンセクション入りの13人編成、オーケストラとの共演など、さまざまな趣向を凝らした記念碑的なものとなった。
さらに翌91年2〜3月には、アルバート・コリンズやバディ・ガイをゲストに招いたブルース・ナイト、マイケル・ケイメン指揮のロイヤル・フィルハーモニー・オーケストラを配した夜など、24回の連続公演を成功させた。
名曲『いとしのレイラ』をモチーフにしたオーケストラによるプロローグなど、未公開の13曲を含む全17曲(末筆に曲名を記載しときます)が、至上の音響と4K映像でスクリーンによみがえる。
ギターの神様スローハンドには全く足元にも及びませんが、拙いギターソロを弾いたのでお時間、場所、機器等が合いましたらお聞きいただければ幸いです。

https://quickshare.samsungcloud.com/dS5cVueFbGVY

昨夜、小劇場にて鑑賞。
エレキギターを独学で習ってる者にとって、クラプトンの楽曲は短いリフなりを含めたら通らないわけがいかない、神とも呼べる存在。
小生は80年代のメタルをこよなく愛していても下手なりにもスローハンド・クラプトンの曲は数曲練習した。
因みにスローハンドって諸説あるとはおもいますが、ギター用語になりますが、左手がフレット上で同じポジションをキープし、チョーキング、ビブラート、ハンマリングオン、プリングオフといったギターテクニックを多用しているので、聞こえてくる音数のわりに左手がゆっくりと動いているように見えるのでスローハンドなんて異名がある。
でもまぁ、ヤードバーズのクリス・ドレアが、その謂われについては、こう明かしていた。
『当時クラプトンが使っていたギターは弦が弱く、1回のステージで2、3回は切れた。クラプトンが弦を張り替える間、観客はゆっくりとした手拍子 - slow handclap - を打ちながら彼の登場を待っていた』なんて Slowhand の由来を明かしてたが、まぁそんなんどうでもいっかぁ笑。
まぁクラプトンの曲一曲でも何十年かかっても小生には完コピなど無理かな。
かといって、アドリブでごまかしたらクラプトン節が炸裂しない不思議なメロディー。
どないしたら、あないに悲しみに滲むソロが出来んのかと常々、ギターヒーローを羨んでいる。
今作品によって、世界中のクラプトン・ファンは(小生はクラプトンフリーク末席ですが居ます)、あの輝かしい夜の最高の瞬間を初めて大スクリーンで体験することができる機会もたれた。
ブルース、ロック、オーケストラのセットをフィーチャーしたこれらのパフォーマンスは、クラプトンの長いキャリアの中でも最も野心的なコンサートと云える。
彼の最も有名な曲の数々を、4人編成のバンドから、伝説的な作曲家マイケル・カーメン指揮の英国ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団まで、さまざまな音楽設定で収録していた。
関係者全員が、これらのライブのために選ばれた素材に新鮮な色合いと音楽性を加えるプロセスに貢献しており、スローハンド史上最高のライブと見なされるようになるかもしれへん。
今作品にはスペシャル・ゲストが多数参加しており、バディ・ガイ、アルバート・コリンズ、ロバート・クレイ、ジミー・ヴォーン、フィル・コリンズといった重鎮が名を連ねていた。
また、ベーシストのネイザン・イーストやキーボーディストのグレッグ・フィリンガネスといったクラプトンのレギュラー・サイドメンも、熱気をもたらし、これらのパフォーマンスを特別なものにしていたなぁ。
今作品に収録されているすべての曲とセッティングが、彼のクリエイティビティがピークに達していた頃のECを聴かせてた。
映画の冒頭を飾るロバート・ジョンソンの『Crossroads』のフルオーケストラ・ヴァージョンは、ファンならそれだけでチケット代を払う価値があるんちゃうかな。
この曲は常にクラプトンのクリーム時代と結びついてるし、このオーケストラとの完全な再構築によって、ほとんど新しい曲に生まれ変わってた。
クラプトンのヴォーカルと演奏は、演奏の雰囲気にぴったりの表現力を持っており(個人的にはゲイリー・ムーアも捨てがたいが)、彼はオーケストラに意味と強調の陰影を引き出させ、魅了してくれた。
"I Shot The Sheriff "は、クラプトンがリード・ヴォーカルを取るまで分からないような、シンセとギターによるファンク・アレンジが施されていたし、70年代にクラプトンがカヴァーしたこのボブ・マーリーの名曲とは全く異なるもので、他の名曲と同様、全ての変更に完璧に耐えていた。 フィル・コリンズはここでドラムを叩いており、彼の軽薄な表向きの人格の下にある実際の実力を観た方は思い知らされると思います。
イーストとフィリンガネスがベースと鍵盤を固め、4人編成の大成功を収めた。
また、クリームの『White Room』は、クラプトンのスターダム初期を彷彿とさせるエネルギッシュなテイクでした。
彼はこの曲をストレートなロック・ソングのように演奏し、彼の60年代の作品を愛する者にとって完璧な瞬間にしている。
彼のストラト・トーンは硬質で明瞭で、ブルースをベースにしたパワーで会場を満たす。
彼は、"Wonderful Tonight"、"Layla"、そして"Cocaine "などの彼の代表曲の数々でも、これらには各々、クラプトンの逸話があるが割愛しますが、演奏は同等の高度を達成していた。
今作品は、クラプトンの最も偉大な時代のひとつを間近で観ることができ、クラプトンの遺産と影響力を再確認させてくれる。
カメラワークは巧みやったし、音声は鮮明で爽快、演出は感動的でした。
クラプトン好きは、映画館で今作品を鑑賞出来たこと感謝。
●劇中楽曲リスト
1 前奏
2 Crossroads クロスロード
3 I Shot The Sheriff アイ・ショット・ザ・シェリフ
4 White Room ホワイト・ルーム
5 Knocking on Heaven’s Door 天国への扉
6 Lay Down Sally レイ・ダウン・サリー
7 All Your Love オール・ユア・ラヴ
8 Black Cat Bone ブラック・キャット・ボーン
9 My Time After A While マイ・タイム・アフター・ア・ホワイル
10 Edge of Darkness エッジ・オブ・ダークネス
11 Holy Mother ホリー・マザー
12 Tearing Us Apart ティアリング・アス・アパート
13 Cocaine コカイン
14 Wonderful Tonight ワンダフル・トゥナイト
15 A Remark You made ア・リマーク・ユー・メイド
16 Layla いとしのレイラ
17 Sunshine of Your Love サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ
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