レネリー

首のレネリーのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.0
IMAXにて鑑賞

構想30年、大ヒットシリーズ「アウトレイジ 」の最終作から森昌行との決別、オフィス北野を脱退し、6年ぶりの監督作品となり東宝配給作品は実に32年前「あの夏、いちばん静かな海。」以来となる。
2019年に角川文庫から出版されたビートたけし著作の「首」の実写映画となるが、単刀直入にいうとあまりにも”期待外れ”な出来栄えであること。

正直北野武監督は本当に大好きで、オールタイムベスト作品もたくさんあるくらい大好きな監督。だからこそ、こんな評価はしたくなかったし、むしろこんな評価になるはずがないと過信していたくらいに期待していた。

まず全然アウトレイジには及ばない。
戦国版アウトレイジなんて言われるが、全然足りない。それ故に複雑ではないはずのプロットが妙に複雑化されているような気がする。
偽史が織り交ぜられ、更にはただでさえ上代日本語が使われていたりしているのに聞き取りにくくなっており(特に織田信長演じる加瀬亮)頭に入ってきにくいのもマイナスポイントと言える。

バイオレンスとコメディの配分は流石だった。
今回はやり過ぎなくらいに減り込まれた人体破損描写が展開されており、血生臭さを時には笑いと共に描くことにより癖が緩和されている。
この点は満点と言えるだろう。

やはりこの映画が不完全燃焼になってしまった要因は明らかに制作過程における様々な問題と、森昌行の不在が非常に強いキーとなってしまった気がした。

だが、もう一度観てみる。
レネリー

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