ジュリアン

首のジュリアンのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
5.0
自分の好みではなかったことを先に断っておきたい。3-4x10にも似た感想を抱いたが、とはいえ面白すぎた。
まず、ホモセクシャルとホモソーシャルとの連続性を描いており、北野武節を感じられること。しかも、このホモソーシャル連続体が切断されると権威勾配も逆転するという構造が劇中で起きており、ホモソーシャルさに緊張感もあった。天下人になった秀吉も家康もホモセクシャルではないという対称性が面白かったのかも。また、北野武特有の「オカマ」の破滅さにオブセッションを感じられて大変満足。

次に、笑いだったり、劇中の舞台が舞台なのでホモソーシャル連続体しか描けない黒澤明という関連性で何かしらの批評が読みたくなる展開。作家性がある人なので色んな人がどのように論じるか気になるところ。

ちなみに、本能寺から徒歩5分にあるmovix京都で見ました。やったね、リモートワーカー!