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PERFECT DAYSのmocoのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
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岡山のシネマクレールにて。
この物語では一人の男性にフォーカスしてるけれど、年齢性別問わず、一人で暮らしている人たちは、誰しも共感できる部分があるのではないか、と思った。
日々を過ごす中で、毎日が同じように繰り返されるけれど、ちょっとずつ違っていて、アクシデントや気づきがある。
自分はここまで素朴な生活はしてないけど、自分の心を良くするための、日々のちょっとした工夫は生きていく上で必要で、でも多くを求めない姿、見習いたいなと思った。

妹さんが娘を車で迎えにくるシーンで、彼が実はすごくいいところの息子だった様子が伺えるけれど、そこから離れて暮らすこと、側から持たれる印象と、捨てきれない劣等感のようなもの、なんだか少しだけ共感ができてしまった。
家族から離脱すること、一人で生きていくこと。
孤独な自由。

孤独を謳歌することも幸せの一つ。
たとえ自由であっても、他者との関わりの中で、日常に喜びや苛立ちも生まれる。
一つ一つの感情は、富。
仕事と生活の話ではあるから、野放しにポジティブにばかり捉えてはいけない作品ではあれど...
観終えたあと、今の境遇と似ているからか、母は、私もこのまま生きてていいんだって思ったよって泣いてた。

まだ私は20代だから自分がこれから先何十年か生きて確実に老いていく上で、参考にしたいのは、こういう、たった一人でも生きる意味を見出せる(ているように側から見えている)方々。意味なんて見出せなくても、ただ淡々と日々を送れる人たちもそう。一人で立つ力を身につけられれば、他者と関わったときに、より一層のありがたみを感じられるから。

世の中の人たちは、休日に何をして過ごしているのだろう..?と率直に気になっていたのだけど、その一つの例を覗き見させてもらった気持ち。

カセットの低い棚が良かった。
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