【第76回カンヌ映画祭 監督賞】
『青いパパイヤの香り』トラン・アン・ユン監督作品。カンヌ映画祭コンペに出品、監督賞を受賞した。アカデミー国際長編映画賞フランス代表に選出されショートリストまで残った。
いい映画観たな、としみじみ感じさせてくれる。トラン・アン・ユン作品は『青いパパイヤの香り』しか観ていないが、静かなテンポと流麗な撮影が素晴らしい。
料理人の女と美食家の男、二人の関係性という軸はあれどごくごくシンプルにそぎ落とされた物語。それを飽きさせずに消化してみせたトラン・アン・ユンの手腕が光る。監督賞も納得。
みているだけでよだれが出てきそうな料理の数々。徹底してこだわり抜いた料理のディテールに心酔。
ジュリエット・ビノシュとブノワ・マジメルの地味ながらも存在感ある演者も最高。ポーリーヌを演じた女の子が可愛い。
叙情的なトラン・アン・ユンの手腕で紡がれた極上料理映画。あまり期待していなかったが、思ったより心が暖まる作品になった。最近厳しい展開のものばかりみていたので心が洗われた。