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グランツーリスモのkuuのレビュー・感想・評価

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
4.0
『グランツーリスモ』
原題 Gran Turismo  映倫区分 G
製作年 2023年。上映時間 134分。
世界的人気を誇る日本発のゲーム『グランツーリスモ』から生まれた実話をハリウッドで映画化したレーシングアクション。
主人公ヤンをアーチー・マデクウィ、GTアカデミーの設立者ダニーをオーランド・ブルーム、指導者ジャックをデビッド・ハーバーが演じる。監督はニール・ブロムカンプ。
実在のヤン・マーデンボローがスタントドライバーとして参加している。
今作品は『グランツーリスモ』プレイヤーでプロのレーシングドライバーになった彼の実話にインスパイアされてるそうな。
余談も一つ。
オーランド・ブルームが演じるダニー・ムーアは、実在の人物ダレン・コックスにインスパイアされているそうな。
コックスは日産ヨーロッパの元幹部で、2008年にソニー・プレイステーションを支援するためにGTアカデミーを設立し、レーシング・ゲーマーがプロのレーシング・ドライバーになるチャンスを提供した。

ドライビングゲーム『グランツーリスモ』に熱中する青年ヤン・マーデンボローは、同ゲームのトッププレイヤーたちを本物のプロレーサーとして育成するため競いあわせて選抜するプログラム『GTアカデミー』の存在を知る。
そこには、プレイヤーの才能と可能性を信じてアカデミーを発足した男ダニーと、ゲーマーが活躍できるような甘い世界ではないと考えながらも指導を引き受けた元レーサーのジャック、そして世界中から集められたトッププレイヤーたちがいた。想像を絶するトレーニングや数々のアクシデントを乗り越え、ついにデビュー戦を迎える彼らだったが。。。

フィルマークスの友より教えてもろた作品。
その『グランツーリスモ』は、よく練られた脚本、奥深いキャラ、細部まで作り込まれた没入感のあるグラフィックで、最初から最後まで観る者の心を掴んで離さない。
チョイ観る前はなめてた。
こないに嵌まるとは友よ感謝。
今作品はゲーム『グランツーリスモ』に夢中になっているウェールズのカーディフ出身のティーン、ヤン・マーデンボロー(アーチー・マデクウィ)を描いていた。
ヤンはレーシングカーのドライバーになるのが夢で大学を中退したため、家族は彼の情熱をよく理解せず、心配していた。
日産のGTアカデミーに参加し、プロレーサーを目指す世界10人のうちの1人に選ばれたヤンは、栄光への道のりで悲劇、愛、欺瞞など、さまざまなことに立ち向かわなければならない。
今作品ではキャストがなんちゅうても輝いている。
ヤン・マーデンボロー役のアーチー・マデクウィは、大きな夢とそれを追い求める炎を内に秘めたティーンエイジャーの感情を見事に表現していた。
彼は最初の数シーンでは無感情に映るけど、クライマックスになると彼のキャラが温かくなり、マーデンボローをバリバリ応援していた。
個人的にもう一人のお気に入りは、ジャック・ソルター役のデヴィッド・ハーバー。
メタルの帝王オジー・オズボーンの熱烈ファンも個人的には好感が持てる。
彼は典型的なコーチであり、アグレッシブやけど、以前レースで経験を積んだために少々色あせたところがある。
陰気な中年のダメ男から、優しくも熱血なコーチへの変身は魅惑的やったし感動的。
ジェイソン・ホールとザック・ベイリンによる脚本は、撮影とグラフィック、そしてローン・バルフとアンドリュー・カワジンスキーによる記念碑的なスコアと同様に、今作品を大いに盛り上げている。
どのレースシーンでも、ヤンと一緒に車に乗っているような気分になった。
ヘアピンを曲がるたびに顎がしゃくれた笑。
レースが始まって信号が青になると、劇場全体がエンジン始動の音で振動する。
今作品は草臥れた小生の回復力を促進した。
ヤンが失敗するたびに、彼のトレーナーであるジャック・ソルターは、失敗を乗り越えて立ち上がり、埃を払って次のレースに進むよう彼を後押しする。
興味深いことに、ソルターはこの映画の中で、ヤンやGTアカデミーの他の子供たちを信じていないところから始まる。
ヤンの活躍によって、ソルターは彼の熱烈な支持者に変わる。
ここにもうひとつ。
常に正しいことをしようとするソルターの信念は、日産のマーケティング担当重役ダニー・ムーア(オーランド・ブルーム)と対立させるが、これもまた素晴らしい教訓と云える。
そしてもちろん、この映画の核心は、どんなに実現不可能に見えることでも夢を実現することである。
運命、幸運、実力が揃えば、成功をつかむことができる。
嗚呼オモロカッタ。。。
メイキングもゑかったなぁ。
kuu

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