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瞳をとじてのlordanthonyのネタバレレビュー・内容・結末

瞳をとじて(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

エリセの映画愛が詰められた作品だと思う。フィルムの保管室で話すシーンは、個人的にすごく好きだった。デジタルもいいし便利なのは間違いないけど、フィルムの持つ質感は特別なものがあるし、物理的にあれだけの大きさがあるので、存在感があるように思った。
映画館のシーンもたまらなく良かった。フリオはじめみんなが座っているだけで泣けてくる。映画を観るためだけの空間。ミゲルのフリオへの愛が伝わってきた。

ミゲルはどう考えてもエリセが投影されていて、エリセ自身が高齢になり、他者に対しての思いなどを改めて考えたのかなと想像する。会うという行為自体が、自分の人生に関わってきた人への感謝のようにも感じられた。

劇中劇は、設定は違うのだけど、どこか覇王別姫ぽさを感じた。正面からのカットは強力で、感情が揺さぶられる。すぐまた観に行きたい。

それにしても、南古谷でエリセが観られるとは。川越周辺の映画ファンは驚いたことでしょう。(自分は「え?」って声が出てしまった。)
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