映画の味方あっつマン

瞳をとじての映画の味方あっつマンのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
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ビクトルエリセ監督の
31年ぶりの長編映画。

もう無いと思っていただけに、
喜びと期待が膨らむばかりだった。
そして、その期待に
しっかり応えてくれる作品であった。

アナトレントが、アナの役名で
出たことにも大きな意味がある。

(監督の初長編映画『ミツバチのささやき』で、
アナトレントは、アナとして出演している)

ミツバチのささやきのアナは、
幼さ故に自我が芽生えていない状態で、
描かれていた。
本作に出てくる、ある人物も
あいまいな自我が描かれている。

また、本作は宮崎駿監督の
『君たちは〜』のように
監督そのものが詰まっている映画。

(ちなみに、宮崎駿監督の『トトロ』は、
『ミツバチのささやき』の影響を受けているらしい)

ビクトルエリセは、アナと共に
何者と対峙していたのだろうか。

おそらく、映画そのものと
映画が起こす奇跡と
対峙していたのだろう。

最後のシーンの余韻が素晴らしく
当面は浸っていられそう。