ノラネコの呑んで観るシネマ

湖の女たちのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

湖の女たち(2023年製作の映画)
2.9
奇妙な映画だ。
湖の辺りの介護施設で100歳の老人が殺される事件が起こり、刑事の福士蒼汰と介護士の松本まりかが出会う。
やがて二人は、変態チックな性愛の関係に溺れてゆく。
殺人事件の方は、その後15年前の隠蔽された薬害事件、70年前のハルビンへと広がってゆく。
ところが主役二人の物語が、事件の話と全くと言っていいほど絡まないのだ。
しかも二人とも、何考えてるのかさっぱり分からない。
劇中で自分でも言っていたけど、頭のおかしな人にしか見えないので、観ている方は全く感情移入が出来ず、二人の物語に関心も持てない。
結局最後まで行っても、六割くらいのボリュームをもつ背景の事件の方は、一応の大きな絵を描き出すのに対して、肝心の二人の物語は「コレ全部無くても問題無いよね?」と浮きまくったまま終わってしまう。
ドSの福士蒼汰とドMの松本まりかの性愛の話は、原作だと納得出来るものになってるのか?
背景の方はそれなりに面白いのに、本筋は何をやりたいのか最後まで意味不明で、ひどくつまらない。
こう言う映画も珍しい。
残念ながら、大森立嗣監督作品では限りなくワーストに近いほう。
闇堕ち先輩刑事役の浅野忠信が相変わらずいい。