ルトガー・ハウアー追悼⑤
あらすじ:ダイヤ強盗に辛うじて成功したものの、仲間に裏切られ瀕死の重傷を負った挙句、投獄されてしまったフランク。そこは柵も無く自由度も高いが、爆弾付の首輪「ウェドロック」で管理された実験刑務所だった!さらには彼にダイヤの隠し場所を吐かせようと、所長や囚人たちの魔の手が伸びる…。
ジャケはSF感出してるけどそんなことないやつ。一応近未来って設定だけどね笑
でもこれ、今回の追悼企画で1番の当たりかも。ただ、木曜洋画劇場案件だなと思ったら、監督は『アリゲーター』のルイス・ティーグで、元々もTV映画らしい笑
そう思った理由として、まず前半45分で割とたやすく刑務所を脱獄。後半は、パートナーとのドタバタ逃避行。つまり『プリズン・ブレイク』のシーズン1&2が100分で楽しめる、早い・安い・上手いのお手軽仕様になってるから!ラスト思い出したかのようにそれまでの展開を清算するのも素敵。
また、ウェドロックがパートナーとリンクしていて、お互いが90メートル以上離れると爆発してしまう設定のため、片方だけが連れ去られる、もしくはバスやエレベーターに乗ってしまうと、もう片方は大急ぎで追いかけなければならないんだけど、何故かここで毎回ハウアーさんがジョークを放ちコメディ風にしてくるもんだから、作品が軽い感じの仕上がりになってる笑
加えて今回のハウアーさんは物理工学の天才という役で、眼鏡にロン毛なんだけど、これがまあ似合わない!
そもそも天才的頭脳を働かせるシーンなんか一つもないし、懲罰房ならぬ水罰房で敵対する囚人からおしっこかけられたり、寝たふりしてパートナーの尻をさりげなく揉んだりするので、あんた何やってんの状態(笑)急なちょんまげスタイルや民族衣装まで披露しちゃういらないサービスも、“案件” 要素に加担してると思うし、『ブラインド・フューリー』『サルート・オブ・ザ・ジャガー』の後だからか、身体が無駄にゴツい!
けど、そんな憎めないハウアーさんを愛でる作品でもあることは確か笑
肝心のウェドロック爆発は1シーンしかないけど、ここは出来がすこぶる良い!
ホントにTV映画で流したの?と思うほど『スキャナーズ』してるし、1カットで走りながら頭が飛ぶ映像はどうやって撮影したんだろうと感心。やっぱり特撮畑のティーグ監督のこだわりなんだろうか。
ちなみにダニー・トレホが出てます。
一言喋って次のシーンでは殺されてたけど笑