松井の天井直撃ホームラン

亀も空を飛ぶの松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

亀も空を飛ぶ(2004年製作の映画)
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↓のレビューは。今はもう無くなってしまった映画レビューサイトに、鑑賞直後に投稿したレビューを。こちらのサイトに、以前のアカウントで移行したレビューになります。

☆☆☆☆

強烈な映画だ!
あまりの凄さ、逞しさに完全にノックアウトされてしまった。

時はアメリカ軍によるイラン侵攻直前、国境沿いの村には強烈なリーダーシップで子供達に指示をする少年サテライトがいた。
沢山の難民の中には気になる存在の少女に、両腕の無い兄と幼い子供。

掘り起こした地雷を武器商人に売り付けてお金を稼ぐサテライトと子供達「僕たちに必要なのは理科や算数よりも機関銃なんだ!」と叫ぶ、やっと映った衛星放送も戦争のニュース以外は「汚れた番組」と決めつける大人達、受け入れ難いラストも含めてこれこそが本当の現実の姿なのだ!

過去にも実際に地雷で傷ついた身体を晒して映画に出演している子供はいたが、この映画の様に涙や感動を‘売り’にしないのは珍しい。
いやきっと必要無いのだろう。彼等にしてみれば腕や足を吹き飛ばされてしまったのはきっと‘結果的’と考えているのかもしれない。実際そう思えてしまう程にこの映画に出て来る子供達は逞しくしたたかである。

題名になっている2匹の亀が水溜まりの中に深く沈んだのは【あの出来事】はもはや‘闇の中’って事なのだろうか?
今となっては結果が見えてしまった為かアメリカや世界に対して挑発とも苛立とも受け取れる様な強烈なメッセージを持った作品だった。

(劇場鑑賞/岩波ホール/日時はメモを調査中)