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哀れなるものたちのわでのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2
社会規範に捉われない、ニュー・ヒロイン

"人間が生きていく上での知的さや倫理観とはどういうものか?"

ベラをコントロールしようとする男性たちの欲望。
それに対し、自分の意思で、自分の自由を切り開き、自分の人生を生きるベラ。
そんな彼女との交流を通して、変わっていく者、変わらない者

"社会的にどうか周りからどう見られるか" ではなく "自分の目を通してどう感じとるか" によって世界が構築されていくということを思い起こさせてくれる作品


印象的だったシーンがある。
パリからロンドンに戻ったベラと、マックスの森での散歩シーン。
パリで娼婦だったこと、結婚相手がそんな自分で良いのかと尋ねるベラに対し「僕は嫉妬する。だけど、君の体は君のものだから、君の自由だ」と答えるマックスの台詞。互いを尊重した豊かな関係性が見える穏やかな温かなシーンだった。


映画全体を通して
まるで空想の世界を観ているようなビジュアルや設定でありながら、おとぎ話(ファンタジー)のように現実との距離を感じる物語ではなく、今自分が生きている世界と重ねて観てしまうリアルを感じる不思議な映画だった。
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