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哀れなるものたちのnononoのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
面白かった〜
エマストーンが演じるベラの冒頭から終盤に向けた成長ぶりが本当に凄まじかった。
マークラファロの情けなさっぷりもめちゃくちゃ良かった。
デフォーは傲慢で孤高の天才という役がハマりすぎた。

自我と知性と欲望の成長。自分らしさを自分で創っていく勇敢な姿。みんなベラの虜になっていくのは自分自身に課している良識さを彼女がぶち壊している姿に羨ましさを感じていることの現れなのかな。

マックスはベラに対して愛や恋というよりも崇拝に近いような想いを抱いているんじゃないかと思う。だからこそ彼女の要求に抗わず、ただただ大人しく受け入れているように見えた。

どんどんと知性をつけていく彼女に対してダンカンが「知恵をつけてそんな話し方をしないでくれ!あどけなくて可愛らしい話し方がどこかに行ってしまった」みたいなことを言っていたのが印象的だった。日本が極端にロリ文化が強かったり女性に無知や無垢を求める印象だったけど、それは世界のどこでも一緒なんだろうなって印象付けられたシーンだった。
だからこそ最後の方のシーンでマックスが知恵をつけても尚ベラのことを慕っていると言ったことは嬉しかった。

それでも自由になることを追い求め続けたベラが自我が芽生えても尚マックスと結婚しようとしたのが不思議で仕方なかった。
あれはゴッドがベラだけは自分を見る目が違うと言っていたように、ベラを性欲の対象としか見ない男ばかりの中、彼女自身の尊さを見つめているマックスの誠実さへの好意なのかな。
でもエンディングの感じだと結局結婚はしなかったんだろうな。

ベラの周囲には常に(ダンカンを除いて)知性を纏う人がいたことがすごく幸運だと思う。
船の上で出会ったカップル?が好きだった。私もあんな感じのマダムになりたい。
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