グリーンツー

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊のグリーンツーのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

まず賞賛すべきは、やっぱり邦題。原題だと「ベニス」だけど、ちゃんと「ベネチア」に直してた。やっぱりギアッチョは正しかった。この調子で「ベニスの商人」や「ベニスに死す」もちゃんと直してほしい。

英語文化のいけない部分、それは相手を尊重しないところ。名前なんてその最たるもの。イタリアならローマ、ジェノバ、ミラノも英語だと違う呼び方になる。そもそも、イタリアも「イタリア」と呼ばれてない。ちなみに我が国も「JAPAN」。ちゃんと「NIPPON」と言わせないと。

言うまでもなく名探偵ポアロシリーズはこれまでたくさん舞台化、映画化されている。この作品も例外ではない。だから演出はとても大事。と言っても、この作品自体これまで知らなかったんだけど。

今回印象に残ったのはアリアドニ。正に作者自身という感じのキャラクター。ドラえもんならのび太、クレヨンしんちゃんならマサオくん。作者自身に似せたキャラクターを入れることで、より読者に感情移入させる、またそのキャラクターに解説や進行を任せることでストーリーの流れをより早く、かつ自然に出来る。正にキン肉マンにおけるテリーマンやミートくん。こういうところにも、アガサ・クリスティのセンスを感じた。

ラストはポアロシリーズにしては反則な感じがしたけど、作品には合っていたと思う。タイトルも原作の「ハロウィーンパーティー」ではなく「ベネチアの亡霊」にした甲斐があった。やっぱりタイトルは大事だと改めて思った。