匿名の監督たちとSNSの投稿画像による合作。避難した建物から外にカメラを向けていると、若い女性が顔を撃たれる。または昏睡状態の男性が、ずっと殴る蹴るの暴行を受けたまま殺されていく。狙って撮ったわけじゃないのに、カメラはそんな無残な姿を捉えてしまう。
匿名でシームレスにつないでいくため、自然と次の話題に移っていく。芸術性の高い映像や、弔いの行為を演じる演出部分もある。
命がけで監督たちが撮った映像は凄絶だった。でも事実を知って終わってはいけない。この暴力を止めること。どうしたらそれができるのだろうか。「わたしたちの声が聞こえますか?」という呼びかけで、映画は締めくくられる。祈りの言葉を綴るのは簡単だが、本気で止めたい場合に何ができるんだろうか。