shimeno

赤と白とロイヤルブルーのshimenoのレビュー・感想・評価

赤と白とロイヤルブルー(2023年製作の映画)
3.2
クィアムービーというよりBL。
クィア作品に甘い自分だけど引っかかりの方が大きくて残念……。監督ゲイ当事者な筈なんだけどな。

クィア作品とBLの違いって当事者が安心して見られるかどうかだと思うので。
この作品は消費的目線の方が大きいと感じた。
でもかなり評判良いので、マジョリティにアピールする、という点で作品の目指す所はそうなのかも。

まず、2人がアラサーな割に言動が幼くて見ててソワソワする。(原作だと21とからしく、なら納得なんだけど)
本物の愛だ!と何度も言う割に一目惚れでセックスに溺れてる以上の愛があんまり見えてこなかった。

一番の無理ポイントはアウティングが大きく扱われてたこと。当事者が見るにはトリガーウォーニングすべきレベル。
作品のサプライズのためにクィアキャラを辛い目に合わせて欲しくない。
しかも犯人がゲイの元彼って。ゲイ悪者にすんのかい。全然クィアセーフじゃないね。これは原作からなのかもだけど。

大統領のユマサーマンは良かったけど、父にもカミングアウトしなさいってプッシュするし。

アウティング後の会見で「たまたま」男を好きになったんです、てセリフも嫌だった。
本人はバイだけど相手はゲイじゃん。ゲイ相手にたまたま男が好きって言って欲しくない。

ハートストッパーで、意地悪なキャラでも絶対アウティングはしない、ニックの母が父にはカミングアウトする必要ないと勧める、というクィアフレンドリー描写とどうしても比べてしまう。

ただ広場にサポートする人がレインボーフラッグ持って押し寄せてます〜で終わるのは浅すぎる…。
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