シネコンの大スクリーンで掛かるような、時間や予算が潤沢に使える大御所監督の作品ではないから、荒削りさや突っ込み所はある。
その分を差し引いたとしても、総合評価は圧倒的に「賛」だった。
重めの映画を好んで観る私には想像よりライトで、気張らずに観られて温かい余韻が残る映画。
中盤までは割りとのんびりした空気が流れているけど、クライマックスシーンはがらりと変わって台詞のほとんどが名言集みたいに。
「あなたが駄目になることは、誰も望んでないよ」
メインキャストの紅一点が、色気やかわいさ担当の女性キャラクターではなかったところに好感を持ったし、役者陣全員よかった。
笑えるパートとシリアスなパートの切り替え方もとても巧い。
あー、海鞘(ほや)食べたい。
成長過程で魚から脳を持たない生き物になって、一ヶ所に留まるってなに?
あのビジュアルを、最初に食べようとしたひとってすごい。