【ニナ・メンケス女性映画史特講】 CPH:DOXにニナ・メンケス映画があった。ニナ・メンケスといえば『Queen of Diamonds』で知られる女性監督である。彼女が映画におけるジェンダー描写や映画業界の女性の扱いについて批判した講演型のドキュメンタリー『BRAINWASHED: SEX-CAMERA-POWER』を製作していたのだ。近年、日本でもハラスメントの告発が増えているだけに、本作で勉強をしてみました。
本作は大学の授業であれば半年かけて講義する内容を1回分の授業サイズに圧縮しているため、事象や映画史における重要な作品を並べているだけにも見られる。また、自分の作品を棚にあげすぎな印象も受ける。しかしながら、アリス・ギィ、ドロシー・アーズナーの時代から『WANDA ワンダ』や『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』、『ノマドランド』、『TITANE/チタン』までを語り、『Mektoub, My love』におけるアブデラティフ・ケシシュの性的虐待問題を指摘する点は女性映画史入門として重要と言える。