ryodan

甘い人生のryodanのレビュー・感想・評価

甘い人生(2005年製作の映画)
3.8
これほどまでにナルシスティックなほど、構図にこだわりまくった作品は見た事がない。そして美意識過剰な演出で、これまたクソかっこいいイ・ビョンホン。あ~甘ったるい作品か、と思ってみるとどうも微妙に違う、ズレる。2000年前半当時の新しい価値観に対応できない、時代に取り残されつつある中年オヤジが主人公。「最近の若い奴らは」が、接頭語に出て来そうなほど、ビョンホンのオヤジっぷりが哀愁たっぷり。礼儀正しく忠義を尽くす。が、これまたどこか変。美しくなく泥臭い。組長の指示に背いた後の後始末のシーンがドロドロに泥臭い。てか泥!ここまでで銃が一回も出て来てないのも、この作品のユニークなところ。最高にお気に入りのシーンは何と言っても拳銃の組み立てシーンだ。この拳銃に疎いというのも非常に面白い!しかもある種チャーミングなシーンになっている。無茶苦茶カッコイイけど、ちょっとダサい。夜景をバックにシャドーボクシングって完全にオヤジでしょ!!もっとスタイリッシュになれるのに、どこか少しダサい。その匙加減が独特過ぎる。唯一無二の作品。
ryodan

ryodan