ノラネコの呑んで観るシネマ

ボブ・マーリー:ONE LOVEのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)
3.8
1976年、国民の分断が進み内戦寸前のジャマイカ。
銃撃事件に見舞われながら敢行したスマイル・ジャマイカ・コンサートから、2年後に癌の告知を受けた後のワン・ラブ・ピース・コンサートまでを描く音楽伝記映画。
音楽は十分聴かせてくれるが、物語はなんだかダイジェスト感が強い。
76年から2年間の現在に、少年時代や若い頃の記憶が挟まれるのだが、現在を含めて断片化してしまい、有機的に繋がっていかない。
上映時間は104分と短めなのだが、これはもう少し時間が必要だったのでは?
もっとも、基本的にマーリーのファンに向けた作品であることも、作りに影響しているかも知れない。
足りない部分は脳内補完してね、と言う訳だ。
例えば「ボヘミアン・ラプソディ」は、クイーンを知らない人にも楽しめる様に作られていて、新世代のファンを獲得する、クイーン入門的な作品だった。
対してこちらは、そもそも一見さんは観ないだろうし、マーリーの思想や背景は当然知ってるでしょ、と言うスタンス。
とりあえずマーリーは知らないが、映画は観たいという人は“ラスタファリ”だけは調べて行った方がいい。
この言葉を知らないと、映画の半分くらいは意味不明だと思うから。