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ナポレオンのmのレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
3.7
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かの有名な軍人・革命家であるナポレオン・ボナパルトの生涯の話。
フランス革命でマリー・アントワネットが処刑されるところから始まり、ナポレオンの台頭、ナポレオン戦争、そしてセントヘレナ島での最期の時までを約2時間半で描いている。
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"若き英雄"と言われたナポレオンだけど、生涯における64もの戦いで戦死者を300万人以上も出しているなんて、本当に「英雄か、悪魔か」わからないな、、、
歴史に詳しくないのでナポレオンのこと全然知らないけど、自分が戦争に出ている間に妻が不倫していると聞いて怒り狂って帰国するとか、愛した女性との間に子どもができずに離婚するってめちゃくちゃ辛い時にブチギレて頬を叩くとか、普通にヤバ人臭かった。
きっと戦争ばかりの人生のなかで唯一の心の拠り所だったから、一層執着してしまったんだろうな、、、。(と思っている)
ジョセフィーヌはジョゼフィーヌで「私を捨てないで」と泣いて縋ったり「あなたは私がいないとただの男」なんてことを言ったりする女で、愛情とプライドとの戦いなのか、ナポレオンのことを愛していたのだろうけど、正直よくわからんなと思ってしまった部分もある。
でも、自分は子どもが産めないという理由で離婚したのに、次の結婚相手との間に生まれた子どもを見せに来られるのは残酷だし、苦しいはずなのに頑張って笑顔で子どもを抱くのは偉いよ、、、
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私は基本的に誰に対しても感情移入ができず、ただ目の前に広がる世界を見ていたんだけど『アウステルリッツの戦い』では散っていく兵士たちを見て苦しくて泣きそうになった。
戦争映画はこれが苦手だ。
戦地に赴く主人公とか、その恋人とかに感情移入すると他の兵士たちはただのモブキャラになってしまうけど、実際こうして亡くなっていった軍人や軍馬がたくさんいるんだって思うと苦しくて仕方がなかった。
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作品としては、尺が長いというのもあるし、何より規模が大きいので映画館で見て良かったと思う。
11台のカメラと8000人ものエキストラと作り上げた緊張感のある戦場のシーンはやっぱりスクリーンでみたい。
そしてナポレオンの死については毒殺だとか癌だとか諸説あるらしいけど、この作品の終わらせ方は、数々の戦争の中で生きてきたナポレオンの最期をものすごく静かに描く"静と動のギャップ"があって個人的にはめちゃくちゃ良かった。
どストレートな超大作。
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