ベビーパウダー山崎

黒の札束のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

黒の札束(1963年製作の映画)
2.5
ちっぽけな小市民の川崎敬三。どう見ても大それた悪事(犯罪)が成功しそうにない、その疑心暗鬼な佇まい。偽札に関わる仲間が強面の高松英郎やチンピラ風情の杉田康など信頼できるはずがないメンツ。
ありふれた男にはもう一つの顔があったのだと、その裏切りにハラハラドキドキを求めたくなるのも分かるが、集団での偽札作りと個人的な男と女の関係、どちらも過剰さがなく半端に見える。サスペンス映画を押しのけ、スタイリッシュの欠片もないメロドラマ的な「別れ」のラストに気持ちがすうっと離れた。