このレビューはネタバレを含みます
予告編が気になっていた作品。
あまりにも哀しい残酷な運命を背負わされても逞しく生きる女性のお話。
失踪した婚約者の過去を辿って関わった人々の証言で浮かび上がる人物像。
「愚行録」を彷彿とさせます。観ている自分も好奇心から知りたい気持ちと、やめてほしい気持ちで揺さぶられました。
雨に打たれて絶叫する市子、正気を失った表情で妹を見下ろす市子、覚悟を決めた表情で義父と向き合う市子。
いたたまれない気持ちになりました。
同時に義則や共犯者の旧友と同じ様に愛おしく守ってあげたくなりました。
それが相手の器の問題ではなく、法の下で無理だと知る市子。ハミングしながら、逞しくも未来に向かうラスト。
この様な境遇で戸籍のない方々の救済方法の確立を切に願います。