このレビューはネタバレを含みます
杉咲花さんの演技がただただ凄い。市子は台詞が多いキャラクターじゃないが表情だけであれだけ表現出来るとは。
この映画を見るまで自分は無戸籍問題があるなんて知りもしなかったですが、それを押し付けがましくなく問題提起するわけでもなくその問題に興味を持たせる事は上手いと思います。
周りの登場人物が市子の事を河辺さんだったり月子だったり市子だったりどう呼ぶかで関係性を現しているのが興味深いが市子自身は一貫して市子で貫き通しているのが物悲しい。
宣伝ポスターの「全ては生き抜くために」
この言葉がこの映画全てを表していると思います。
最初と途中、最後で鼻歌で流れる童謡にじの歌詞がその時の母、市子の現状の気持ちを歌っているようで前向きな歌詞との現状が非常にずしんと重くのしかかってきます。