前髪メガネ

たかが世界の終わりの前髪メガネのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2021年製作の映画)
3.6
思っていた以上に"舞台"を浴びた。

テアトル新宿で開催中の藤原季節特集の1作。
未配信かつ予定が合うって事で鑑賞しました。

Twitterにて舞台戯曲をワンカットで撮った作品とだけ拝見して臨みましたが、熱量が凄かった…

観劇経験はあまり多くなく、知ってる人が出ているものを観に行く程度。
その経験値では正直、かなり疲れた。

元がフランスの戯曲という事で役名はフランス名なため誰が誰なのかが中々掴めなかった。
戯曲内容も難しく、フランスで2016年に映画化もされており過去にその作品を観た記憶もあるけどその時も確か難しくって疲れた気がする。

本作は演劇のゲネを思わせるような広いスタジオを使用しておりその一角にダイニングのセッティングがありそこで物語が展開される。
しかしその空間にはその舞台を見守る席も用意されており舞台スタッフなどが台本片手に演劇を観たり、はけた演者が座り舞台を観ていたりしており、虚構と現実が混ざり合っていたのがとても印象的。
本来映画ならあり得ない鏡によるカメラマンの映り込みやスタッフ影の見切れなどもあり本当にゲネプロを観に来たような感覚に包まれました。

役者の熱と制作の熱が交わる感じは嫌いではなかったので、またもっと未来にこの物語を理解できたら改めて味わいたいと思う。
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