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キラー・ナマケモノのLCのレビュー・感想・評価

キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)
3.9
え、面白いやん、好き。

ホラーグロ耐性皆無である私が、怖がるどころか手を叩いて笑いたくなった、脅威の作品。映画館で見たのだけれど、他にもたくさん人がいたからな… 静かに見たけどな… ひとりだったら遠慮なく笑っとったわ…

リズムの良さを始終感じる。
それは音楽もそうだけれど、結構テンポよく進む展開にも。その為、ノレる時は思わず踵や指で拍子を取ってしまう。ノレる時って何や。私にとっては南国に響いていそうな鼓の音が発生する場面がそうだった。姫もノッていた。ノるしかねえ、このビッグウェーブに。ズンドコズンドコ。

女子寮での出来事なので、たくさん人が出てくるけれど、あんまり顔覚えられなくても大丈夫だと思う。SNSでのフォロワー数とプロフィールが出るから。顔じゃなくてそっちで印象に残る。
そして、やっぱり彼女たちのうちの幾人かがナマケモノの犠牲になるわけなんだけれど、みんな多様なやられ方をする。やられ方っていうか… やり方が多様っていうか… トリリンガルの可能性ほんのりあるしな姫…
そうやってナマケモノに意識を取られていると、やられた人の最期の台詞が「あ、それ今なんだ」と突っ込みたくなったりもして、楽しめる要素が意外にも多い。
勝者とは、最後まで諦めなかった者のことだ。そんな闘魂のようなものを垣間見た気もする。たぶん、ナマケモノが、きちんと「生き物」としての重さを感じられる存在だから。重みのないアニメでもないし、ぬくもりを持たぬ物体でもない、そんな感じ。
でも、人とナマケモノのフェアなファイトが何なのかはわからない。主人公はどんな戦いを想定して「フェアファイトをお望み?」って言ったんや… というか、姫の言いたいこと理解できるんか、結構絆深まってないかそれ…

とりあえず、ズートピアのナマケモノとスピード勝負してみようぜ。赤いマスタングで乗り込んでやれ。赤いマスタング同士の対決にもなるねこれ。キツネとウサギのおまわりさんはしつこいぞ、気を付けろ。

恐怖体験を乗り越えたみんなが、良くも悪くも変わらないところも好き。人間関係には少し変化が見られるかもしれないけれど、オシャレは妥協しないしうぇーいってはしゃぐし、新規入寮者は全力で募る。
はあ、楽しかった。楽しかったから、今しばらくはその余韻に揺蕩うことにしよう。見終わった時にそう思える。ぐるぐる休まらない頭を休めるにも良い時間になるかもしれない。
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