こぅ

真夜中の記憶のこぅのレビュー・感想・評価

真夜中の記憶(1991年製作の映画)
-
シドニー・シェルダンの世界的大ベストセラー[明け方の夢]の完全映像化で、
ゲイリー・ネルソン監督による、TVM【火サス】。


ギリシャのアテネ。
修道院に記憶喪失の美しい女(ジェーン・シーモア)がいた。
夢で彼女は自分の名前がキャサリンであることを思い出す。
大富豪デミリス(オマー・シャリフ)に雇われたキャサリンは街で見覚えがある店をみつけた。
その店の占い師は、キャサリンを死んだはずのダグラス夫人だと言うのだ…。


・異色⁈の記憶喪失もの
記憶喪失の
キャサリンの戻る記憶を辿って犯人探し/追い詰めていく ありがちな プロットでは無い。
そもそも記憶の戻り方が不自然で、戻りも大きくはプロセスに機能していない。
ご都合主義もあるが、テンポ上々。
犯人は、序盤で判明/提示される。
登場人物が意外に多いのはシドニーらしい⁈
ある隠蔽工作の
真相を知る人間は、口封じで次々抹消されていく。
残るは、記憶の戻ったキャサリンを抹消するだけ。主犯が雇った3人の人物、となると、後は、予定調和で終了かな?という予想を裏切って、息切れしない展開に。
主犯はキャサリンを狙うが、主犯を憎む人物もいるのだ。その動きが本作の醍醐味と言える。
終盤、
突っ込みどころもあるが、ちょっとした伏線やサブキャラも無駄無くフル活用/機能させ、その流れでツイスト/二転三転まで手堅く纏めた火サスの面白さ。


・枝分かれした結末へ(見どころ)
結末は
綺麗にスカッと締めているが、仕組んだ人物、観る者の予想外(ツイスト)へ着地したと言える。
ライターが3人寄っているせいもあるかも知れない。


・ジェーン・シーモア
記憶喪失のヒロイン役、
ジェーン(40)は、【ある日どこかで】にも増して綺麗だった。
終盤のラヴ要素は無理矢理入れた感/不自然、或いは、脚本の不備(尺の問題)でそう感じた。

*後に知ったが、オリジナル全長版は160分(フィルマの表記)で、本DVDは短縮版96分、恐らくメロドラマパートを大々的に端折った結果であろう。
こぅ

こぅ